【解説・考察】改造人間図鑑 No.2 蜘蛛男【私見】
1971年4月3日放映、特撮番組「仮面ライダー」第1話「怪奇蜘蛛男」にて初登場した蜘蛛男。
別名・怪奇蜘蛛男。
身長198cm、体重96kg、出身地・アマゾン河流域の奥地、アジト・鈴鹿サーキット近くの森の中、武器・口から吐く自身の体重をかけても千切れない糸と人間の体を一瞬で溶かす毒針、弱点・火や熱。
主な使命は、優秀な人間を改造人間にするための拉致・誘拐。
女戦闘員を率いて本郷猛を誘拐したのも蜘蛛男である。
頭の大きな触覚は情報を集めるための巨大な万能アンテナであり、情報収集を行う蜘蛛型発信機を通じて緑川ルリ子を見張り、ショッカーを脱走した本郷猛とルリ子の父である緑川弘博士を追った。
その最期は仮面ライダーとなった本郷猛に投げ飛ばされたところをライダーキックを食らい、沫となって消滅した。
仮面ライダーが始めて交戦したショッカーの第1号怪人だが、その戦闘能力は前述の主な任務から低かったらしく、筋力もさほど強化はされていない。
その証拠にダムの城壁を蜘蛛男は糸を吐いてそれを伝い登っていくが、これを仮面ライダーは一跳びで登った事からも明らかです。
ショッカーが何故、蜘蛛の改造人間を造ろうと思ったのかですが、蜘蛛という生物は水中にも砂漠にさえ生息しており、如何なる環境にも適応している数少ない生物であるが故に諜報収集をする際に極めて有利と思われたのではないでしょうか。
その蜘蛛の本来の環境適応能力に加えて、ショッカーが与えた毒針で跡形もなく人間を溶かす暗殺任務にも有能です。
実際に緑川博士は、本郷猛の隙をついた蜘蛛男に毒針で殺害されているのですから、それは否定しようのない事実だと思われます。
一点特化型で戦闘能力が低かった蜘蛛男ですが、彼が仮面ライダーに勝つためにはどうすれば良かったのかを真面目に考察してみたいと思います。
まず始めに絶対的な条件として、仮面ライダーと直接拳を交えるような肉弾戦は避けるべきです。
仮面ライダーに蜘蛛男が勝てる見込みがあるとすれば、人体を瞬時に溶かしてしまう毒針を仮面ライダーに当てる事なのですが。
これが仮面ライダーに本当に効くのかどうかですよねまずは、これに関しては仮面ライダーを狙って蜘蛛男が毒針を撃った際に誤ってショッカーの戦闘員に毒針が刺さったのですが、この時毒針が突き刺さった戦闘員の肉体はやはり瞬時に溶けています。
仮面ライダーと戦闘員では肉体の頑強さは勿論違うのですが、戦闘員とて常人の数倍に程度の肉体の強化は施されています。
であるならば、一発では仮面ライダーを溶かしきる事が不可能でも、それが二発、三発と続けば勝利があるのではないでしょうか。
そして、肝心の毒針をどうやって仮面ライダーに当てるかですが、馬鹿正直に目の前から毒針を撃ったところで総ての能力は仮面ライダーの方が上の筈ですからそれは無駄に終わるでしょう。
こうなってくると蜘蛛男が勝つにはやはり本郷猛を二度に渡って捕らえた蜘蛛の巣状の糸を使い、仮面ライダーの動きを止めるしかありません。
この蜘蛛の巣状の糸は、オートバイでそれなりな速度を出しているであろう本郷猛とそのオートバイ、更に加えて緑川博士の動きを止める程度には頑丈です。
仮面ライダーに対してこの糸が有効かは定かではありませんが、少なくとも一瞬くらいは動きを遮る事が出来るのではないかと仮定し、先程提示したこれも憶測の域を出ない結論ではありますが、その隙に毒針を浴びせる、これに尽きます。