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古今東西ヒーロー物が大好きマンの徒然なるブログ

【解説・考察】改造人間図鑑 No.1 仮面ライダー旧1号【私感】


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1971年4月3日放映、特撮番組「仮面ライダー」第1話「怪奇蜘蛛男」から登場した仮面ライダー第1号。


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エネルギーの源はベルトの風車ダイナモにあり、胸の皮膚は銃弾をはねのける防弾組織で、跳躍力は垂直跳び15.3m、横跳び48.7m。

この形態の1号は俗に旧1号と呼ばれ、仮面ライダー1号の第1形態に相当します。
この旧1号は仮面ライダー第1話から第13話まで登場しました。
そして、仮面ライダーに変身するのは本郷猛。


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その使命は誰かに与えられたものではなく、世界制覇を企む悪の秘密結社ショッカーから人間の自由を守るために戦う事。


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本郷猛はショッカーによって改造手術を施され、改造人間仮面ライダーにされました。
それは決して彼が望んだ事ではなく、ショッカーに拉致され、気付いた時には既に肉体の改造手術は完了していたのです。

この時、ショッカーによって自由を奪われた本郷猛は、ショッカーの犠牲者を自分で最後にしたいと、その想いからショッカーと戦う道を選んでいきます。

仮面ライダーとは、えてして最初から明るいヒーローではなかったのです。

改造人間にされた悲しみを胸に秘め、自身がショッカーに奪われてしまった、人間が本来持っていて当然の自由の為に戦うのです。

本郷猛が改造される遠因を作り出したのは、彼の恩師である緑川弘博士。


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仮面ライダーだけが従来のショッカーの改造人間と容姿が異なる理由付けとして、ファンからの考察は多岐に渡りますが、明確なその答えは未だに公式からは出ていません。

私が思うに、仮面ライダーを産み出すに当たってショッカーが求めていた人材の条件が知能指数600などは有名な話だと思いますが、それだけの条件をショッカーが他の改造人間にも求めていたのかというと、そうでもなく、仮面ライダーに専用のマシンがあり、なおかつベルトの風車に風力エネルギーを受けて変身する仮面ライダーの能力を考慮すると、

仮面ライダーが、明かに他の改造人間とは一線を画した存在なのは間違いありません。


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そこで私は、緑川博士が主導で仮面ライダーの能力を設計したというよりは、緑川博士から本郷猛という逸材の存在を知ったショッカーが、緑川博士に設計させたのではないかと推測しております。

本郷猛をショッカーに推薦したのは確かに緑川博士ですが、本郷猛が緑川博士のご息女の緑川ルリ子とは面識が無い辺り、恩師とはいえ本郷猛と緑川博士の間にさして特別な親しい交流のようなものはないのではないか、私はそう考察していまして、少なくともルリ子が本郷猛を知らないのは劇中の様子を見ていれば明らかです。


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そこから私が妥当だと思うこれはあくまでも私見なのですが、天才的な本郷猛を緑川博士は日頃から目をかけ、そんな緑川博士を本郷猛は尊敬の念を抱いていた。

緑川博士はショッカーに娘のルリ子引き合いに出され、激しく動揺してしまう昭和ライダー世界の悪の組織に目を付けられる博士にしては少々一般的過ぎる感性を持っています。

そしてルリ子の身を案じてかもしれませんが、ショッカーとの戦いには及び腰になる緑川博士が、では何故脳改造寸前の本郷猛を救ったのか、しかしその本郷猛をショッカーに推薦したのは紛れもなく自分自身なわけであって。

おそらくですが、緑川博士はショッカーの恐ろしさに屈していたのでしょう、だから本郷猛をショッカーに売り、彼を改造人間にする遠因を作り出しました、それでも知っている人間が犠牲になるのが耐えられなかったのか、もしくはその原因が自分にあるのを認めたくなかったのか、それは定かではありませんが、少なくとも緑川博士の良心が残っていたからこそ本郷猛はショッカーの思い通りの人間にはならなかったのでしょう。


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そういう意味を含めての、ショッカーの犠牲者は自分で最後にしたいという本郷猛の願いに近いかもしれないその想いがあるのだとしたら、これはとても哀しくも大切な事なのではないしょうか。